2013年5月26日日曜日

佐伯矩(さいきただす)---栄養学の祖---



日経新聞によると、森永ミルクキャラメルが誕生から百周年を迎えるとか。 
あのキャラメルは、遠足の定番だった記憶がありますが、「滋養豊富」とか、 
むずかしい熟語が黄色い箱には書かれていました。 
ところで、この「滋養」という言葉、古くさく感じなかったでしょうか。 
私たちの世代では「栄養」が普通だと思います。 

昭和50年に東高が出した「いのちまた燃えたり--本校ゆかりの人々--」という小冊子があります。 
この冊子には、東校卒業生と漱石のようにゆかりがある人をピックアップして、 
肖像画と業績がコンパクトにまとめられています。 

この中の一人、佐伯矩(さいきただす)氏(明治9年〜昭和34年)は、世界で初め 
て栄養学を独立した学問としたことから、栄養学の祖と言われています。 
食品の中に含まれる有用な成分やそれを摂取することに「栄養」の字を当て、 
「栄養士」を創設した人でもあります。 



彼は郡中の出身で、まだ鉄道のない時代、郡中から松山中学まで毎日歩いて通っ 
たそうです。 
郡中は大洲藩の港町として江戸時代はじめに開発された町ですが、その開発当時 
から栄養寺というお寺がありました。 
彼は、よく知っていたこの寺号から「栄養」 という言葉を思いついたと言われて 
います。 


ですから栄養寺は、全国の栄養士さんはもちろん、栄養士や管理栄養士を目指す 
人たちにとっても、聖地と言ってもいいところです。