私にとって、小中高と過ごした町だけど、今回約40年ぶりに歩いたことになる。
・子規の俳句の先生である大原其戎(きじゅう)の居宅跡
・国の文化財になっている石崎汽船(株)の本社ビル
・秋山兄弟や子規が旅立った「きせんのりば」
などは、住んでいた頃は、全く気にも留めなかった。
港から少し歩くと三津の渡しがある。
昔は大型の手漕ぎの伝馬船だから、そこそこ時間もかかったし体力も要ったが、
今はディーゼルだから船頭さんも楽である。
渡ったところが港山。大昔には、予州河野家の本拠であるお城が置かれていた。
伊予の名族である河野家が大大名になれなかったのは、湯築城を拠点とする河野
宗家と、この予州家が長い間争っていたからと言う。
このあと河野家は、秀吉の四国征伐に敗れて今の広島県に逃れ、さらに山口県に
移り住み、やがて約300年後に、家臣筋から伊藤博文が誕生する。
港山から電車で三津に出れば、三津の駅舎はレトロな雰囲気を持つきれいな建物
に替わっていた。
三津浜焼きの店は、小さな店が20店以上あるらしい。
http://www.hama-bura.com/hamayaki_list.html
駅前の「とみ」と言う店も小さな店。
昔も、おばちゃんが内職でやっているような小さな店ばかりだった。
先客が一人に私たち二人が入った。あとからもう一人やってきたが、おばちゃん
は、「かなり時間がかかるよ」と言って実質的に追い返してしまった。
どうやら今日の昼間は3人の客で終わりのようだ。
700円を出して、一番豪華な台付きうどん入りで豚・イカ・エビなどトッピング
全部入りを注文。カミさんはそば入りにしたが、うどん入りが思った以上におい
しかった。
腹一杯になったので、腹ごなしに、
・鉢合わせで有名な厳島神社
・わざと曲がった道筋にした古い町並み
・昔に比べるとずいぶんこぎれいになった辻井戸
などを巡る。
当時は大きな町だと思っていたが、久しぶりに歩いてみると、こぢんまりした町
という印象が残った。